いちご日記

  • 2023年06月26日

「原点回帰」

皆様、こんにちは。
桜のシーズンも終わり、ゴールデンウイークも終わりました。
今年はマスク無の会合がOKとなって久しぶりの賑やかな春でしたね。
少し古い話題ですがWBC 日本14年ぶりの世界一。すごいよね。ちょっと前まではベースボールに野球で勝つとかスモールベースボールだとか言ってましたけど、今回はパワーもスピードも全く引けをとらずに勝利した。最年長がダルビッシュ有で36歳。私の息子位の青年達の活躍。素晴らしい。オジィの自分なんかは嬉しかったです。野球に限らず他の競技も是非頑張って頂きたいと改めて思いました。
 

 
さて、今回は一周回って藤枝市のTS様の圃場にお邪魔しました。時期は4月初旬。例年ならば桜満開ですが、もう葉桜が目立つ暖かい日です。先にお断りしておきましょう。今回は写真少な目です。ビジュアル的には物足りないです。
車を走らせてまず直売所と隣接ハウスに向かいます。いない。では、もう1ヶ所の本圃ハウスに向かいましょう。あれ、ここにもいない。
ハウスは2ヶ所とも無人です。???ナゼ?電話しよう。「こんちは。到着しました。」数回のコールの後に繋がりました。「どこにいます?」とTS様。「ご自宅に近いほうのハウスです。」と私。「では、苗場で待っててください。」「了解です。」ナゼ苗場?
私が到着してほどなくTS様登場。お互いに「お久しぶりです。元気でしたか?」実は2人ともにあまり元気じゃなかった。でも。会えば現金なもので即いちご談義です。

「章姫」の親株です。実はこの光景を見て私はほっとしたのです。なぜならば、TS様の圃場に到着する前に他の生産者様の圃場をなんとなく見ながら車を走らせてきたのですが、すでに親株がプランターへ移植されていたのです。
単純に「親株の定植、早くね。」と感じたのです。現場(生産圃場)へ出かけることがめっきり減った私としては記憶違いなのかはたまた親株定植の早期化が昨今のトレンドなのかと思ってしまった。

「イチゴの育苗技術」【平成8年(1996年)3月】
実はこの冊子は私の貴重な本当に貴重ないちごの教科書なのです。農業関係の営業として施設園芸を担当したのは1996年でした。
アイポットを販売するにあたり、JA大井川の部会にお邪魔した折に頂いた資料です。お恥ずかしい話ですが、当時の私はいちごの定植、すなわちいちご苗を本圃に植えることが分からず、いちごの「定食」ってなんだ?食べたことないぞ。てなレベルでした。勉強しなくてはいけないと素直に反省したことを思い出します。
おっと、横道にそれてしまった。この資料はすでに原本として私の手元にはありません。営業職から離れた時に他の営業マンに託したのです。
しかし、その方が退職したため多分、廃棄されてしまったものと思われます。
私はこの資料のアイポットに関係する部分のみスキャンして電子媒体として保存していました。
脱線のついでですがこの資料をある時はFAX、その後電子メールを使用して後輩の営業マンに送ったものでした。
私の息子が生まれた年の資料が息子が成人して就職してからも使っています。それほどに私にいちご育苗の基礎を教えてくれた教科書です。
この冊子をまだいちごのことを何にも知らなかった私が頂けたこと、今でも感謝しています。

フローチャートは目次の次のページに掲載されていました。静岡いちごは「女峰」から「章姫」に転換する時期で高設栽培はほとんど普及しておらず、高設土耕はシステムとしてはまだなかった。ロックウールの細粒面での栽培を水耕と呼んでいた頃の資料です。

親株の定植時期については「アイポット」「いちご畑」「ポット育苗(ビニール鉢)」の全てが3月下旬~4月中旬となっています。
ただし、私の経験からは実際にはもう2週間程度遅い時期に親株定植は移行していったように記憶しています。

しかし、本日は多くの圃場で親株の定植が行われており、採苗(ランナー受け)が「いつでもどうぞ。」位の樹の大きさになっていました。

なぜなのでしょう?
親株定植時期がフローチャートの時期よりも遅くなったことについては説明できます。ただし、静岡県限定なので悪しからず。
高設栽培が普及したことにより、収穫時期が延長されました。よって、次作の苗作りのスタートが遅れ気味になったという理由。
そしてもう一つは「章姫」の登場です。「章姫」はランナーが旺盛に発生します。ポット受けを行い、ランナーを切り離す。これで定植苗を確保します。
しかし、定植苗が不足した場合、「章姫」は追肥をすることで更にランナーが発生します。このランナー受けの2回戦が可能だったのです。
当然、パネル育苗(仮植)時間は1回戦の苗に比べ短期となります。
しかしながら、定植後の収穫量が1回戦目の苗よりも2回戦目の苗のほうが優秀である場合が多かったのです。そう、若苗であることで根そのものも老化しておらず、定植後の根張りが良好であったと考えられるのです。
弊社の「スーパーアイポット」はこの仮植時間が短い苗に対応すべく開発、そして販売されたのです。
つまりは、根量が少ない苗のためポットに詰める培土量は少なくて良い。普通のアイポットでは無駄になる培土が結構な量発生してしまう。
経費を考えれば容量の少ないアイポットが欲しいということです。

ではなぜ今、親株定植の時期が早くなったのでしょうか?
TS様との会話の中では今定植されているのは秋苗(秋に配布される親株)が多いようです。しかも、配布即プランターに定植してハウス内で管理されているという。
苗の配布は(地方により様々な形があるのかもしれませんが)秋苗と春苗の2回であったりします。
苗の配布については希望する数量が配布されないこともあります。それは、親株増殖中の病気の発生であったり荒天での自然災害によって確保できる量が不安定になることもあります。
また、秋苗はポット(ビニール鉢)で越冬してからプランターに植える場合も少なくなかったです。ある程度の寒さを超えさせてまた、水管理もプランターよりはポットのほうが容易になるからでしょう。
生産者様によっては秋苗を増殖してそれを親株として使用される方もいらっしゃいました。秋苗は親ではなく祖父母としての役目だったりしたのです。手間掛けてるよね。

過去の事例と違う早期での親株定植、それは本圃への早期定植を行うがためであるのです。
本圃への早期定植を行うために苗の準備も早めに行う必要があると考えられます。昨今は「章姫」のように旺盛にランナー発生してくれる品種ばかりではなく、短期で一気に定植苗を確保せざるを得ない品種もあるのです。実際、弊社でもそれは1990年代と比較してアイポットの販売数量は減少しています。そして、スーパーアイポットが販売された時期と比較して販売比率でアイポットが大きく、スーパーアイポットの需要減が目立つことも事実です。

私見で大変申し訳ありませんが、定植苗の早期定植は非常に難易度が高くまた、リスクが大きいと考えています。
実際、TS様との会話の中で「昔、一緒に部会に居たI様が「俺らもな、早期定植やったことがあるだよ。その頃はな、分化前定植といってなやっただけど上手くいかなかった。」て言ってたよ。」とおっしゃる。実は分化前定植の試験は私も知っていた。部会で本来なら顕鏡して花芽分化を確認してから定植することがセオリーだった。しかし、作業効率や早期収穫を目指して分化前定植を試験したのです。
結果はマイルドに表現しますが「よろしくはなかった。」ということ。
いくつかの問題がありました。その中で花が揃わないという問題が一番大きかったと記憶しています。実際、そうだったハズです。
早くに本圃定植しようがきちんと花芽分化しなければ花は着かない。=着果しない。花芽分化は窒素量と気温が大きく関わっていることはいちご生産者様ならば誰もが知識として持っているとは思うのですが。
もしかしたら大顰蹙(ヒンシュク)なのかもしれないことを覚悟して書きますが、8月に定植しようが早く収穫なんかできない。このコラムでも2回取り上げていますが、夜冷育苗はいちごの生理を利用して花芽分化を促します。
アイポットを使った夜冷育苗(正式名:夜冷短日処理育苗) | 農園芸製品で省力化-矢崎化工Agri-Connector (agricone.com)
暑いハウスからお届けします(2020年8月)  | 農園芸製品で省力化-矢崎化工Agri-Connector (agricone.com)
もっと極端な方法は暗黒夜冷です。促成栽培の技術はすでに30年以上前に出現しています。

花が揃わないことのデメリットは収穫量が安定しない。生育ステージが同じであれば収穫が一気にできる。果実を探すまでもなくその列をくまなく収穫すればいいのです。同じように摘花作業も列で行えるのです。同じ列を何度も作業のために入ることは効率が悪いです。

いちご生産者様に関わらず、というか農業に関わらず漁業であってもその収穫物の単価が高値である時期に多く出荷したいです。
昔話ばかりで申し訳ありませんが、静岡市の生産者様に夜冷を行う方がいらっしゃいました。KU様とさせて頂きます。残念ながらすでに他界されていますが、その方は出荷額の80%を年内に賄うとおっしゃっていました。80%は私の記憶違いかもしれません。しかし、ご自身が高齢であること。また、苗作りの時間を多く確保したいがために収穫時期はなるべく短期にしたいとおっしゃっていた。当時、土耕でしたから土壌消毒や畝立て作業は重労働であったと思います。それら含めて収穫を早期に終わらせたいと考えていても全く不思議はないでしょう。
早期出荷をして目標収入を早く確保するために夜冷を活用していました。定植苗の半分が夜冷だったと記憶しています。

今日のお題目「原点回帰」とはこのことを伝えたかったのです。
実はTS様との会話で様々なヒントを頂いたのです。2時間も滞在したのに本場にも行かずいかに苗作りが重要であるかを2人で話しておりました。
「苗さえできりゃ、あとはポケットに手を突っ込んで(収穫時期を)待ってるだけだ。」亡くなった藤枝のK様の言葉をTS様が言ってくれた。
TS様は「良い苗を作るため、ポットへの置き肥も色々試験しただよ。2種類買って(藤枝の)K様と半分こずつしたりして。」とか「他の人の苗を譲ってもらって圃場で自分の苗と生育情況の比較したりとかね。」と様々な試験をしたことを話してくれた。そして「失敗しても自己責任だしね。」とも言う。みんな試験を自分でしていた。置き肥がまだ、ポット錠剤が販売される前はIBS1主流でした。しかし、大きさがまちまちなのを嫌がってふるいにかけてなるべく大きさが揃ったモノをアイポットに載せているなんて話は普通にあった。
錠剤になって1つ1つの粒の肥効が安定したことに生産者様が喜んでおられたことを思い出した。

機械も資材も新しく使い良い製品が増えた。でもさ、いちごの生理は変わらないんだよ。
「本読んで勉強したりもするんですよ。」とTS様。「ある本で古い本なんだけど、栽培技術に新しいは無い。って書いてあったんだよ。」私「すげーっ。」そう、アプローチの方法は変化してもその本質には変化はないんだと言うことでしょう。
だからこその「原点回帰」です。

今日の私の文章も「原点回帰」なのです。藤枝のI様や静岡市のKU様の言葉が私をあの頃の、まだ若かりしあの頃に戻してくれるのです。決してかっこいい文章を書きたいのではない。書いていることは私見以外は本当のことです。生意気ですが年寄りの話も少しは聞いてみたらいかがでしょうか。なんてね。

TS様との会話に戻りましょう。
私「本圃の写真、撮って帰るからね。」TS様「とても見せられないだよ。」私「でも写真撮るよ。」
こんなに嫌がるなんてめずらしいなぁ。と思いながら本圃に向かう。

今年の気温で4月ならば圃場はジャングルみたいになっていても不思議はないけれど、樹がバカでかくはなっていない。
でも、本当は収穫している時の写真、撮って掲載したかったです。

きっと、素晴らしい写真が獲れたと思うと残念です。
その時期に訪問できなかったこと悔しくてたまらない。
TS様にも申し訳ない気持ちです。

「今年はもう収穫してないんです。」とTS様。なるほど、手入れがされてない。だから見せたくなかったんだ。
まだ、全然収穫できるのに。いままでに3月で収穫が終了したなんて記憶の限りではないもんな。

「収穫開始は何時頃でした?」と私。「12月20日頃からでした。」とTS様。昨年12月にお邪魔した時に遅れていることは分かっていた。
「いちご日記」再開です。 | 農園芸製品で省力化-矢崎化工Agri-Connector (agricone.com)
「こんなに(収穫開始が)遅れたのは初めてです。」
でも待てよ。普通に考えたら年間の収入を確保するためにもっと長い期間収穫するんじゃないか?
「それなりに獲れたから今年はやめです。去年も色々あって、実は定植もどうしようかと思ってたんです。それなりに獲れて、そのあと風邪ひいたりなんかしたのでやめちゃいました。」
そう、私もそうだがTS様も昨年は色々あった。それは知ってはいたがでもそれなりに獲れたとは?
「1月2月は本当に忙しかったです。(今作の)苗に不安があったんですけど、樹があまり大きくならないけど連続(出蕾)して花も多くて結構獲れたんです。」

なるほど。やっと納得できた。今作のいちごの価格はずっと高値で推移していた。春先になって価格も落ち着いてきたけれど、高値の時期に収量が確保できたんだ。高値だったということはすなわち需要と供給のバランスからは供給量が少なかった。それが一般的だったハズ。
しかし、TS様はきっちり収穫できていたんだ。良かった。ホッとした。

私が会社で僅かばかりのいちごを管理していることは度々書いてきました。その苗をTS様から譲って頂いていることも。
そして会社でも樹が大きくなんなくて不安に思っていたのに連続出蕾するは花数は多いわで今までで一番の出来栄えだったんです。
同じ苗だから当然と言えば当然なんでしょう。

私「今年は今の時期でも実が平べったくならないんですよ。」TS様「そう、丸いんだよね。」そこも一緒か。
「このハウスのビニール貼り替える時、Iさんが手伝いに来てくれたんですよ。そん時に苗を見て「こりゃ、えらい樹になるぜ。」って言ってたんです。
何のことか分からなかったけど、このことだったんですね。」と続く。すげぇな。預言者か?
更に「樹は大きくはないけど根がびっしりなんですよ。」とも言う。
人間だって上半身だけ鍛えても下半身はついてはこない。入院したりするとともかく歩け歩けと言われる。下半身を鍛えなくちゃだめだと。
人もいちごも同じなんだろう。しっかりした根が張っていれば果実はついてくるのだろう。(全くの私見)
TS様は若苗を定植したいといつも言っている。若い根で根張りをしっかりしたいからだ。
今作の苗は見事にそこにハマったということでしょう。
ここまで行きつくにはどれだけの試行があったんだろう。苗で失敗すればそのシーズン中に持ち直すことは稀です。いかに苗作りが重要なのか改めて感じた日になった。「原点回帰」だ。

「またどっか見にいきたいよう。」とTS様。「行きましょう。」(あの人に合わせたいな。)と思う自分がいた。
今日もまた、生産者様に勇気と元気を頂いた。TS様と話しをする自分のボルテージがどんどん上がっていったことが分かる。
「Mさんの文章、熱意が分かるよう。」と言ってくれた。素直に嬉しかった。

次作の苗をお願いして、「また、寄ります。」「楽しみにしてます。」といつもの言葉で圃場を後にした。

さて、今回のおまけは「農業を取巻く環境」について書いて行きたいと思います。
世の中は物価高で大変です。正直、食品や日用品の値上げは家計を直撃します。頻繁に買い物をすることのない私であっても、スーパーに行くと「高くなったなぁ。」と感じています。
では農業に関連する様々な物価はどうなっているのでしょうか。そして何が農業に影響を与えているのか素人ながら考察して参りましょう。
実は全くの見切り発車でまとめを全然考えていないです。さて、どうなることやら。

農林水産省 大臣官房統計局「農業物価統計調査 農業物価指数(2023年3月」
2023年4月28日公表より
(令和2年基準)
農業物価統計調査:農林水産省 (maff.go.jp)
農林水産省が取りまとめています。ネットで公開されているので、簡単に検索することができます。
月間毎に作成してくれています。知っていましたか?私はこの題材を取り上げなければ知らないままでした。もっと多くの皆様にも知って頂きたい内容です。

令和2年(2020年)を100として各項目にて価格の推移を表したグラフです。

一目で分かることは農産物価格変動と農業生産資材の価格変動が比例していないことです。
農産物価格は凸凹ながら緩やかな価格上昇ですが、農業生産資材は価格急上昇を示しています。
本来ならば、図1も図2も同じ形になっていて不思議はない。なぜなのでしょうか。

それでは各品目を見ていきましょうか。

実はこのグラフ、品目が固定されていません。
たまたま、2022年10月のグラフを保存していました。ちょっと比較してみましょうか。

農産物の4品目のうち2品目が違いますね。その時々で重要な情報の優先順位を付けているのではないかと考えられます。

僭越ながら各項目について考察してみましょうか。

農産物

安定しています。年毎で考えた場合、政府の買い上げ価格の変動に比例しているように見えます。
だからと言って米の生産コストが下がっている訳ではないのです。価格安定はありがたいことです。

野菜

野菜を一括りとしているので説明は難しいですが、市場の需要と供給のバランスで価格が決定しやすいと見えます。
そのため、不作=高値 豊作=低価格となるためその波がうまい具合に重なって平均化しているのではないかと推測しています。
(あくまでも私見です。)
市場を経由して販売した場合、それはJAでの集荷が中心となるのだけれど生産者側が価格を決定することができない。
ただし、22年度8月期以降の価格上昇からは豊作、不作以外の要因があるのかもしれない。(ような気がする。)
このことについては次回以降に書いていきたいと思います。

果実

野菜と同じような理由ではないかと推測しています。ただし、今後はどのように推移していくのかは予測不可能です。いちごのように高設栽培では肥料・農薬の価格上昇に比例することは容易に想像がつきます。今後の動向を見守りたいです。

鶏卵

「物価の優等生」と言われた鶏卵ですが、価格上昇に歯止めが掛かりません。理由は鳥インフルエンザの影響が大きいと報道されています。
鳥インフルエンザが発生した農場ではその全数が殺処分されるのです。結果、鶏卵の供給量が減少したことが価格高騰を招いています。
後述しますが、飼料も高騰しています。電気代も高くなっている。果たして鳥インフルエンザが収束しても以前と同じような価格で販売されるのでしょうか。生産コストが上昇している農産物の価格上昇は当然の結果でしょう。

せっかくなので昨年10月の資料についても考えてみましょう。

花き

コロナの影響をもろ被りしているように見えます。結婚式や仏事、様々な会合や宴会などが少なければ需要は減少。よって、価格は下落。
逆もあるということなのだろうと考えます。
今後は行事もコロナ前と変わりなく行えるとなれば、価格は上昇傾向に傾くのではないでしょうか。

畜産物

一時、円安の影響で輸入畜産物と国産畜産物の価格差が小さくなったようなことが言われましたが、実は輸入畜産物の価格が上がっただけ。
国産畜産物は本来ならば、もっと価格が上がっていなければ不自然。理由は飼料高騰などが考えられる。
ちなみに、スーパーに行くと牛乳は以前の200%UPもあるが、国産の肉はそこまで上がってはいない。
牛乳は大手食品メーカーが販売しているがメーカーが価格決定できる、肉はやはり市場で価格決定される。ここが国産食肉の価格が上がらない理由でしょう。この点についても今後、考察していきましょう。

農業生産資材

畜産用動物

いわゆる子牛(生体牛)や子豚(生体豚)のこと。この価格が下落していることは問題です。
上に飼料価格のグラフがありますが、飼料価格は高騰しています。なのに、畜産物の価格は上がらない。どう考えても廃業している生産者が多数存在しているだろうことは容易に想像が着きますよね。だから、需要減になって価格が下落していると考えることは自然でしょう。
「アグリコネクター」の中に農業コラム「日本農業の現状と未来」を書かせて頂いたが、その中で食料自給率についても考察しました。
【日本農業の現状と未来③】第2章:食料自給率 | 農園芸製品で省力化-矢崎化工Agri-Connector (agricone.com)
今後、国産畜産物の生産量が減少した場合は食料自給率は更に悪化することは目に見えています。
もっとも、政府も黙って見ているわけではないことは今後書いていきたいと思っています。

肥料・飼料・建築資材

円安が原因での高騰であり、高止まり傾向です。(言い切ります。)
また、ロシアのウクライナ侵攻の影響も受けています。今後、深堀したいと考えています。

農業薬剤

今年に入って急激な上昇となっています。価格高騰の理由は肥料等と同じであろうと考えられますが、もしかしたらメーカーとか販売店が利益率が下がることを承知で価格据え置きにしてきたのかもしれません。
しかしながら、さすがに値上げをせざるを得ないところまで経営を圧迫する状況になったのかもしれません。
農業関連の商材のみならずなんとか価格据え置きしてきたメーカー、販売店も耐えられなくなってきていることは皆様もご存じの通りです。

日本テレビで2022年10月から12月まで「ファーストペンギン」というドラマが毎水曜日22:00から放送されていました。
事実に基づいたドラマだったようです。衰退していく漁業を全く新しい方法で活路を見出すというドラマでした。私は内容よりも主演の女優さんと男優さんが好きだったので見始めたのです。
その中で「お魚ボックス」で主人公と漁師が作る会社が魚を直販するという方法が描かれていました。ここはドラマの解説をするコラムではないので、そのための努力や苦難については説明しません。ただ、「農業でも同じ方法ができないかな?」と考えただけです。残念ながら農作物の場合はその収穫物の出荷時期が通年でないこと。生産者が周年出荷できるほどの種類を栽培できないだろうという結論に達しました。
もちろん、直販している農作物はあります。高価格で販売されている作物もあります。(例 いちご メロン ぶどう等)しかし、全ての農業生産者が直売できるわけではありません。販路をさがし、ロスなく販売するということは至難の業でしょう。そして、私はJAを否定するつもりもありせん。
以前「いちご日記」においてもJAをはじめとする関係機関の皆様の熱意についても語ったことがあります。

今回はここまでにしましょうか。本文と同じくらいのボリュームになっちゃった。しかも、結論は出ない。
今後、様々な考察をしていきます。まぁ、農業も物流も分かっていないオッサンの戯言になってしまうかもしれませんが、お付き合いください。

では、皆さんお元気で。
今年の夏も暑そうだ。昨年は5月末からずーっと暑かった。夏はビールが美味いから大好きだけど、暑すぎるのは体に堪えるからなー。
こまめな水分補給、たっぷりの睡眠で体調を整えてこれからやって来る夏を乗り切っていきましょう。
それではごきげんよう。

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