農業コラム

  • 日本農業
  • 2021年03月15日

【日本農業の現状と未来⑨】第4章:農産物の輸入 その1

第9回 農林水産物 輸入の実態 野菜に注目

皆様、こんにちは。
大分、春らしくなってきました。卒業式・入学式や入社式のニュースが聞こえてきます。
寒椿が散って木蓮が咲く。花びらの大きな花が咲くとなんかうれしくなり、散ってしまうと少し寂しさを感じますが、その後の桜の開花が楽しみな時期でもあります。
ただ、残念ながら今年もお花見は自粛モードになるのでしょう。
コロナで人間界は大騒ぎですが、自然はいつもの姿を見せてくれます。我々に勇気を与えてくれます。
まだまだ厳しい期間が続きますが頑張って参りましょう。

今回から第4章となります。
第3章にて農産物の国内生産について記してきました。
今回からは農産物の輸入の実態として、どのような農産物がどの程度の量をどこの国から輸入しているのか書いていきます。
そこから何故輸入せねばならないのか。メリット・デメリットが見えてこようかと思います。

例によって資料から見ていきましょう。

農林水産物の輸入について

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kokusai/houkoku_gaikyou.html)

表9-1は農林水産物でのランキングのため、水産物や木材、天然ゴム等が含まれています。よってグラフ9-2,3,4にて細分化してみました。
ランキング1位はたばこです。こちらは食料ではないため、このコラムでは取り上げません。

肉類については第7回「食肉・乳製品等の生産量推移及び輸入量」でも触れました。
肉の種類を1つで表したグラフ9-2にて、2019年度の豚肉の輸入量は牛肉の約1.5倍 金額では約1.3倍であることが分かります。

問題はグラフ9-3です。
とうもろこしについてですが、国内産飼料用のとうもろこしの生産は(ほぼ)0であることは第8回「飼料の供給量推移」内で述べました。
国産とうもろこし生産量は23万トン程度ですが輸入量はなんと1,600万トン、国産の69倍強なのです。しかも、農林水産物輸入品の重量ではぶっちぎりの1位です。豚肉との重量比較では約16倍なのです。
輸入とうもろこしはそのほとんどが飼料用であり、日本国内で供給される濃厚飼料は輸入とうもろこし無しでは成立しないのです。

またまた、食料自給率と繋げますが、現在の状況でカロリーベース総合食料自給率は上がるハズもないのです。
参考までにグラフ9-4にて水産物のデータを加えてみました。本コラムは農業中心に進行していますので詳しくは書きませんが水産物も輸入に頼らざるを得ない部分が見えますね。


表9-1では野菜については冷凍野菜しかランキングに入っていません。
輸入野菜について掘り下げて書いていきましょう。

野菜の生産量と輸出入量

引用:ベジ探「2018年版 野菜統計要覧
       Ⅲ-1 野菜の需給および1人当たり年間供給量の推移」より引用

野菜全体の生産量は緩やかな減少です(グラフ9-6)。
輸入量は増大しました。2000年代中盤において一旦減少しましたが再び増加に転じています(食品偽装問題の影響? グラフ9-7)。
野菜の1人当たりの年間粗食料も緩やかに減少傾向です(グラフ9-8)。

この3つのデータで野菜生産の問題点が浮き彫りとなります。必要とされる野菜量が減少しているにも関わらず野菜輸入量は増加しているのです。
第2回「日本の農業就業者数」で書いてきた通り、農業従事者は減少の一途なのです。よって、必要量が減少しても生産者人口の減少スピードがより速いため、生産量は必要量に追いつくことができないでいます。


農業従事者は減少するわ、飼料は輸入しなくては賄えないわ、どうやってカロリーベース総合食料自給率を上げる方法があるのでしょうか。年間1,600万トンのとうもろこしを国内のどこで誰が生産するのか。これってどうにかなる問題なのでしょうか。
カロリーベース総合食料自給率って一体何なのでしょう?と私は疑問に感じます。

野菜の年間供給量の国際比較

話を野菜に戻しましょう。今度は明るい話題です。

出典:ベジ探「2018年版 野菜統計要覧 Ⅲ-2 野菜の1人当たり年間供給量の国際比較」より引用

野菜は1人当たりの供給量でみると世界でも低いことはない。
農業大国と言われているオランダよりも21kgも高い。1日あたりでみれば57gも多い。野菜でこの量の差は小さくはないと感じます(グラフ9-10 棒線)。
自給率も100には届かないが決して少ないわけではない(グラフ9-10 折れ線)。第3回「食料自給率って何?」で触れた通りです。
いも類もじゃがいもの生産量が多く自給率に貢献している模様(グラフ9-11 折れ線)。
残念ながら豆類は国内生産量が少ないことから自給率は低い(グラフ9-12 折れ線)。ただし、供給量は欧米と比較しても多いので食文化の違いがあるとも言えるでしょう。つまりは豆腐を食べるけれどその原料は輸入品が多いということ。
米、小麦については先に述べていますのでここでは割愛させて頂きます。


日本の農業が危機的であることに異論はないのですが、それは2020年現在での日本の食のありようから判断したことであって、もしかしたら将来的には今思うほどの危機ではないじゃないかとも考えてしまいます。
まだ、この時点で結論を出すことはやめましょう。
もっと様々な角度で日本農業を見ていきましょう。

さて次回は危機的ではない野菜から輸入量の多い品目を確認してみましょうか。

進んでは戻りで退屈されたかもしれません。私自身もまとまりに欠ける文章になっているように感じてはいます。
イライラされているかもしれません。申し訳ないです。もう少しお付き合いください。

それでは皆さん、また次回。お元気で。