農業コラム
- その他
- 2020年06月11日
新連載!! 第1回「レタス梱包・出荷作業の改善」
みなさま、このコラムをお読みくださいましてありがとうございます。
コロナウイルスでの非常事態宣言は解除されました。世の中も徐々に普通の生活を取り戻し始めてはいますが、まだまだ以前の生活とは違う今日この頃です。
第2波の襲来が来ないことを願っております。
本コラムは「いちご日記」とは趣きが違い少し硬い内容になりますがお付き合い頂ければ幸いです。
それでは作業改善について書いてまいります。
作業改善とは
改善
悪いところを改めてよくすること。(「コトバンク」より引用)
業務改善
現状での業務の進め方、情報や仕事の流れに関しての問題点を分析・抽出し、改善策を考え、それを実行すること。
改善策の策定に際しては、プロトタイピングの技法を導入すると効率が上がることがある。(「コトバンク」より引用)
作業改善も業務改善の中の1種類です。つまり、仕事をしやすくすることです。
農業において作業改善したい場面は
①重たいモノを運ぶ
②長い距離を運ぶ
③時間の掛かる作業
④立ったり座ったりの繰り返し
⑤重複作業
などなどが挙げられます。
例えば①に対して、ヒトの手で運ぶことから台車を使用して運搬することは作業改善ということになります。
人類の歴史は作業改善の進歩とともにあります。
『移動』という作業。
一番最初はヒトが足で歩く。次に自転車そして船・鉄道・自動車から飛行機と進化しています。
作業改善は進化なのです。
更に自動車においてもトランスミッションもマニュアルからオートマチックに進化しました。ブレーキにおいても自動化が進んでいます。
人類の進歩により作業改善のツールそのものも進化し形態も変わっています。
①においても人力の台車から動力付きの台車が派生しました。無人搬送車(AGV)を使用したり、コンベヤで搬送するなど多種多様な方法がその現場において導入されています。
本コラムにおいては様々な農作業の現場において矢崎化工が取り組んできた事例を交えて記していく予定です。
レタスの梱包出荷における作業改善
まずは、改善前の作業場のレイアウト
こちらは秋冬レタスを栽培しているある地区での生産者様のレタス詰め作業場です。
水稲の精米機がある立派な作業場です。レタスの収穫時期だけレイアウトを変更して詰め作業場として使用しています。
左の写真の作業は収穫したレタスをラップでくるむ作業です。
収穫したレタスの全量を処理します。長い時間です。
外葉処理したレタスはコンテナに入れられコンベヤ上で待機しています。
つまり、この時点でコンテナの直起きからコンベヤを使用するという作業改善が行われています。
コンテナは直置きでないのでレタスを取る屈み作業がなくなっています。更にコンベヤで搬送していますからコンテナ移動のハンドリング作業も省略できています。
作業改善前
その時期に一番多い大きさは段ボール箱に直接詰めていきますが、作業頻度の少ない大きさのレタスは一時コンテナに詰めてから、その後箱詰めしていきます。
詰め作業が完了したら、段ボール箱を出荷用のストックエリアに運びます。
1日に何度も製品の入った段ボール箱を運搬し、かつ空段ボール箱も用意しなくてはならないのです。これは足腰にきます。秋冬レタスですと、寒い時期に敷物をしてあるとはいえ下は土間です。冷えも堪えます。この現場のお施主様にお話しを伺ったところ、作業内容はローテーションを組んで交代しながら箱詰めを行うのですが、この作業を作業員達は皆嫌がるとおっしゃっておりました。
作業改善前の作業風景
当日出荷予定の収穫されたレタスの外葉を剥く作業です。
この量が梱包されなければ当日の作業は完了となりません。
ここから作業改善が始まります。何を改善していくかを決めておきます。
改善したいポイント
1.立ち作業の作業軽減
2.詰め作業の効率化と作業軽減
3.動線を直線(に近い形)にしたい
今回はこの3点に絞って作業改善を行います。
さあ、どうしようかな?
この作業場を歩き回っていると、なんとレタスコンベヤがあるではないですか。これを使わない手はない。
でもなぜ使っていなかったのだろう。
「コンベヤで上にあげても、また下に落とすだけだから。」
とのお言葉。
レタスコンベヤ
確かに使っていない。使わない理由を無くせば使えるハズだ。考えるぞ。
次回は作業改善の構想をお伝え致します。
皆様も何をしたら改善に繋がるのか考えてみてください。少しの工夫でも大きな成果があるかもしれません。
乞うご期待です。皆様、またお会いしましょう。