いちご日記

  • 2019年12月18日

高設栽培「のびのびシステム」

こんにちは。
季節は冬ど真ん中と言っていい感じの毎日です。
皆様、お変わりありませんでしょうか。風邪など引かないようお互いに注意しましょう。

本日は高設栽培の紹介です。時期は10月中旬です。
伺ったのは日記ではお馴染みの藤枝市 K様の圃場です。お世話になります。
まるで自分の家のような感じで本圃ハウスに入っていきます。
架台の下から覗いてみると奥様が手入れをされています。
K様の姿が見えません。「まぁ、そのうち来るよね。」と話していると軽トラでK様登場です。
「あんまりこっちに来ないから会社、辞めたのかと思った。」一発目からからかわれます。
いつも通りのあいさつです。前回の訪問から2カ月近く経過していました。ご無沙汰でした。
本当は定植直後に訪問したかったのですが、ずいぶん予定が遅れてしまいました。

苗はまだ、ランナーが発生しています。それを丁寧に掃除されています。

使用しているプランターは、GFT-17です。

架台はイレクター製です(横渡パイプのみ φ22直管パイプを使用)。
すでにK様しかイレクター架台は使用していません。他の生産者様はφ22直管パイプの架台です。21年間、よくもったなあとメーカー側の私もビックリです。
搬入時のことを思い出しました。1898年当時、静岡事業所には小型クレーン付きのトラック、いわゆるユニック車がありました。そこにパイプやジョイントを積んで私がこの圃場に持ってきたのです。懐かしい。

イレクター製の架台。年季が入ってます。

架台の寸法図です。(φ22直管パイプの場合)

いちご日記

静岡県内のいちご高設栽培においてGFT-17を最初に購入・使用していただいたのはK様です。1998年に44個納入した記録が残っています。静岡県経済連「のびのびシステム」においては発泡スチロール製がプランターの標準でした。アイポットの普及が一段落して全国的に高設栽培がいろいろな方式で普及しはじめた頃です。K様の好意で「矢崎製でも試験してみようや。」と言っていただいて、藤枝からGFT-17の使用が始まったのです。それから21年、静岡県内におけるいちご高設栽培用プランターとしてのGFT-17の販売数量は累計で80,000個を超えています。10a当たりGFT-17を500個とすると16ha分です。

「のびのびシステム」のプランターとしての認定もして頂きました。
標準仕様が1つであれば収量データや培地温度など各種のデータ収集・資料作成が簡単だったと思います。GFT-17が加わったことで全てのデータが2倍になるのです。JA様や経済連様、農林事務所の方々も仕様が2種類になる=データが2倍になることについて面倒だとは一言も言わなかった。本当に感謝です。その当時のいちご高設栽培技術確立への情熱は生産者様のみならず関係機関の方々も熱いものだったのです。

今、私がこの日記を書くことができることもアイポットとGFT-17それと何より最初に導入して下さったK様はじめ多くの生産者様・関係機関の方々のおかげなのです。本当に感謝しています。

品種も変わりました。「章姫」から「紅ほっぺ」そして「きらぴ香」に移行していくのでしょう。
「章姫」はアイポットでも高設栽培においても本当に良い成績を残してくれました。
「章姫」という品種がなかったら私といちごの繋がりももっと希薄なものになっていたかもしれません。「章姫」にも感謝です。

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発泡プランターと直管パイプの架台

K様の圃場には発泡スチロール製のプランターもあります。
「のびのびシステム」導入初期は1つの圃場でGFT-17と発泡プランターの両方を使用する生産者が多かったです。導入初期でプランターの特性を検証する意味合いもありました。
その後、「のびのびシステム」で栽培を行う場合は保温性の高い発泡スチロール製よりもハウス内暖房の効果が表れやすいプラスチック製のGFT-17のほうが需要が多くなりました。培地加温する栽培方法であれば発泡スチロール製の特性が優位となるのかなと考えますが、静岡県内においては温湯管で培地加温することはほぼありません。
K様の圃場も暖房機のみです。
現在、GFT-17は静岡県内では使用数量が最も多いいちご高設栽培用プランターです。
ちなみにGFT-17の栽培時での破損情報は21年間1度もありません。

この圃場には8,000本の苗が定植されています。夜冷育苗と普通育苗の2種類です。
定植時期は夜冷育苗が9月18日から21日、普通育苗が10月4日と5日です。
夏が長い今年でしたので花芽分化が遅く普通育苗の苗の定植は例年と比べると遅めです。
今のところ給液回数は4回とのことでした。
前回の日記の通り弊社、静岡事業所内でもいちご栽培をしています。なので、給液量とECをこっそり尋ねたところやんわりとかわされてしまいました。栽培の肝なのですから当然ですね。

いちご日記
給液コントローラー

給液装置は2液混合タイプです。高設栽培普及開始時期に液晶パネルがついて給液時間や給液量などの設定が簡単な機械は少なかったです。この装置も当時は高額でしたが扱い安さは他機種より優れていました。

K様、奥様いつも本当にありがとうございます。
私が伺うと休憩時間が長くなってしまい、ご迷惑をかけてしまうのですが嫌な顔ひとつされたことがありません。
この日も雑談の中でK様とずっと一緒にアイポットや高設栽培を導入してきたY様がいちご作りを辞めるお話を聞きました。私もお世話になった生産者様です。栽培のみならずパック詰めもきれいで丁寧な仕事をされる方でした。こんな話を聞くとやっぱり寂しい気持ちになります。

訪問した日は台風19号の上陸から4日ほど経過した頃です。K様の自宅もハウスも被害はなかったのですが、各地での被害状況を憂いていました。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。大変な時期ですが前を向いて進んで行きましょう。

次回も生産者様の圃場におじゃまします。
今度は土耕栽培の圃場です。土耕にこだわる理由があります。なぜかは次回のお楽しみ。
弊社のいちご栽培の状況も少しだけお知らせする予定です。
ではまた次回お会い致しましょう。バイバイ。