農業コラム

  • 日本農業
  • 2021年04月20日

【日本農業の現状と未来⑪】第4章:農産物の輸入 その3

第11回 輸入量の多い野菜 その2

皆様、こんにちは。本コラムをご覧頂きありがとうございます。
あっという間に桜の時期も終わり、新緑の季節となりました。しかし、コロナウイルスの第4波が気になるこのごろです。

なかなか結論の出ない本コラムも早いもので第11回を迎えることができました。これもひとえに皆様方のアクセスの賜物で
ございます。本当にありがとうございます。


今回は前回の続き、野菜の輸入量について書き綴ってまいります。お付き合いよろしくお願い致します。

キャベツ

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「農林水産物輸出入統計」
   (https://www.e-stat.go.jp/)
   (以下 表11-4 まで)

中国からの輸入量が80% 金額では68.7%を占めています。
国産に対する比率は7%ですが、国産の出荷量が多いと輸入は減少します。2008年データでは国内出荷量 121万トンに対して、輸入総量は5,863トンということもあります。2018年データの台湾からの輸入量(表11-1)よりも少なかったのです。
キャベツだけでなく葉物野菜の輸入量は国産の出荷量が多いと減少する傾向が強く出ます(露地野菜全般の傾向)。

大分昔の話ですが、キャベツの種子を専門に扱う業者様のお話を伺う機会がありました。キャベツは染色体が7つの植物であり、ベトナムの高原地帯で日本向けのキャベツを生産しているということでした。30フィートコンテナで海上輸送するのだともおっしゃっていました。ベトナムが輸入国ランキング第4位になっている理由でした。

ねぎ

中国からの輸入量が全量の99.97% 金額も同じく99.97%です。
主に加工・業務用となり、国産ねぎ品薄時に多く輸入されています。

ごぼう

総輸入量の98.5%が中国からの輸入です。金額では97.5%です。
国産出荷量は1989年の21.9千トンから大きく減少しています。
減少分を輸入品にてカバーしているような推移をしています。

じゃがいも

出典:農林水産省Webサイト
   (https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kokusai/houkoku_gaikyou.html)

アメリカからの輸入量が総輸入量の99.58% 総金額の98.97%を占めています。じゃがいもは国産自給率の高い野菜です。
フライドポテトなどの冷凍加工品や成形ポテトチップス製品として輸入されています。

にんにく

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「農林水産物輸出入統計」
   (https://www.e-stat.go.jp/)
   (以下 グラフ11-18 まで)

中国からの輸入が92%を占めていますが、近年ではスペイン産の輸入が増加傾向にあります。
主として業務用や加工用としての用途が多いです。国産よりも安価なことが背景にあります。
スペインはちょっと意外でしたね。

だいこん

だいこんも100%近い数字での中国からの輸入となります。
国産での自給率が高く、たくあん漬けの原料としての輸入が主でした。近年は糖絞りだいこん(漬物)の原料としての輸入も増加しています。

ブロッコリー

ブロッコリーは国内での作付面積・出荷量ともに増加している農産物です。
輸入も1999年の9.1万トンをピークに減少しています。国内産の出荷減少期に輸入量が増加します。

レタス

2000年代初頭まではアメリカ産が輸入第1位でしたが、国内の加工・業務用需要の高まりと台湾での生産の本格化によって表11-16以下の資料のように変化しました。決してアメリカ産から台湾産へ切り替わった訳ではありません。
国内産レタスにおいても出荷量は僅かながらも増加しています。レタスは国内自給率の高い農産物なのです(表10-4)。

はくさい

はくさいは統計上の輸入では100%中国からとなります。
はくさいは輸入比率の小さい農産物です。2017年統計での出荷量は73.4万トン(表10-4)ですが、1973年の出荷量は128.5万トンでした。40数年で出荷量は57%程度まで減少している作物です。単純にはくさいを食べなくなったことが背景にあるようです。
輸入はくさいはキムチの原料として使われる量が多いようです。

アスパラガス

アスパラガスも国内産品薄時の輸入量が目立っています。
国産は3月頃から出荷が始まり、9月頃に終了します。9月頃からオーストラリア産の輸入が始まり、11月頃まで継続。オーストラリア産の輸入量が減少する11月頃からメキシコ産が輸入され、3月頃まで続きます。オーストラリア産とメキシコ産の価格はほぼ同等であり、産地の収穫時期の違いによって輸入時期が違うと思われます。

日本での栽培は大正年間から開始されました。当時はホワイトアスパラガスが生産されていましたが、戦後から食生活の洋風化もあり、また健康志向の高まりにより、現在はグリーンアスパラガスが流通量の90%を占めています。
私も初めて食べたアスパラガスは缶詰のホワイトアスパラガスでした。

トマト

生鮮トマトの輸入データです。この中にはピューレ、ケチャップなどの加工品は含まれていません。よって輸入量は国内産に対して1%程度の数量に留まっています。韓国産はミニトマトが多いです。
国産野菜の中で生産量が多いトマト。弊社でもハイワイヤー栽培方式に対応する高所作業台車・ハウスカートの販売を行っています。

セルリー

アメリカからの輸入がほぼ90%の野菜です。国産と比較して約20%の輸入量です。用途は浅漬け、野菜ジュース、中華料理
等の業務用です。
セロリではなくセルリーです。

いかがでしたか。パプリカ入ってないじゃないか。と言われそうです。
実はパプリカ単体のデータを発見できませんでした。ピーマンのデータの中に取り込まれているようです。

パプリカの輸入第1位は韓国であることは皆様もご存じですね。しかし、過去ではオランダが輸入量第1位でした。
韓国国内で生産されるパプリカの80%以上が日本への輸出用であるというデータもあります。
国産野菜において、これから生産量が伸びる作物はパプリカではないかと言う話も聞いています。スミマセン。この程度です。

輸入量の多い野菜に対しては関税も高くなる傾向があります。国内産の保護からも当然と言えば当然ですかね。

せっかく野菜の輸入について考察しましたので、次回はその他農産物の輸入について見ていきましょう。

今回、切りのいいところまでと思っていたら文章が長くなってしまいました。
これに飽きず次回も購読よろしくお願い致します。
それでは皆様、お元気で。また次回、お会いできるのを楽しみにしております。