農業コラム

  • 日本農業
  • 2021年01月18日

【日本農業の現状と未来⑤】第3章:農産物の生産量 その2

第5回 農作物の生産量推移 野菜

皆様こんにちは。
首都圏4都県において再度の「緊急事態宣言」が発令されました。これで感染拡大が収まらなければ全国への発令もあるでしょう。
本コラム冒頭で「コロナに勝った!」と書ける日がやってくることを願っています。

ところで皆様はワクチンは接種したい派ですか?それとも様子を見てからと思う派でしょうか?ちなみに私は前者です。
理由はファイザーやモデルナのワクチンならば90%以上の確率で予防効果を示しているから。ただそれだけです。
ワクチンは感染予防効果が実証されているのではありません。発症予防効果が高いのです。ワクチンを打っても感染する場合もあります。また、治療薬でもありません。「予防=発症を抑える。」なのです。インフルエンザの予防接種と同じです。
感染しても無症状の場合があり、その無症状感染者から感染するところがこのウイルスの面倒くさいところであるのは皆さんご存知のところ。
でも発症しなければ重篤化することはないでしょ。高齢者が優先的に接種されるだろう理由はここにあるのでしょう。

パーフェクトなモノ(ヒトを含めて)はこの世には存在しないと勝手に考えています。

インフルエンザと言えば昨年より国内でも鳥インフルエンザが発生しています。14県で確認がされています。発生件数34件です。
(令和3年1月5日現在)
野鳥が運んでくると言われていますので、防ぐ方法は難しいのでしょう。防疫措置として鶏が殺処分されることが多いこの病気、養鶏農家様の苦労が伺われます。これ以上広がらなければいいのですが。

第5回は前回に引続き、農作物の生産量の推移について書いていきます。
ざっくりとした括りになりますがよろしくお願い致します。

野菜

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21_h/trend/part1/chap3/c3_02.html)

生産量は緩やかな右肩下がりです(グラフ5-2)。
作付面積で大きく減少している野菜は根菜類です。

代表的な品目のデータを見てみましょう。
上表と比較しますが2017年のデータを見つけましたので合わせて比較してみます。

根菜類

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「作物統計調査」(https://www.e-stat.go.jp/)
(以下 表5-7 まで)

だいこんは1980年と2017年を比較すると作付面積も生産量も半減しています。
にんじんの作付面積は70%まで減少していますが生産量はほぼ横ばいです。

葉茎菜類

はくさいの作付面積は45%まで減少、生産量は54%まで減少しています。
キャベツも作付面積は減少していますが、生産量は90%以上を確保して2008年よりも2017年のほうが生産量も多いです。
玉ねぎの作付面積は90%まで減少していますが生産量は106%まで増加、レタスは作付面積・生産量ともに増加しています。

果菜類

全てが作付面積・生産量ともに減少しています。

果実的野菜

果菜類と同じく作付面積・生産量ともに減少傾向です。

2017年 野菜ごとの収穫量

ちなみに上記の野菜は下表データから作物を選定しました。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「作物統計調査」(https://www.e-stat.go.jp/)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou
   /sakumotu/sakkyou_kome/index.html)
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/25.html)

個々の作物全てについて考察するまでは行いませんが、作付面積・生産量が減少及び増加した理由として、
1)農業就業者数の減少・高齢化
2)食の多様化
3)生産性
などが考えられます。

1)については本コラムにて取り上げてきた問題です。
すいかは「いちご日記」【番外編】スイカ?!」でも書きましたが、高齢化により10kgにもなるすいかを地面からトラックに載せる作業ができなくなって、栽培をやめざるを得ない状況が発生しています。
生産農家がなくなっていくことが農作物全ての生産量減少には必ずついて回る問題です。

2)について、レタスとだいこん・はくさいの比較で考えました。
はくさいの1973年データは作付面積45,200ha、生産量は1,779千トン、ずうっと減少の一途なのです。
だいこんも、はくさいと同じような推移をしています。
レタスは逆に増加していて、現在は露地栽培だけでなくリーフレタスなどは水耕栽培や閉鎖型植物工場でも生産されています。
3)にも繋がる事例ですが、必要な野菜は様々な方法で栽培量を減らさないための工夫がなされています。
それは食材として和食寄りな野菜と洋食寄りな野菜との差が出てきているからではないでしょうか。

3)は、いちごで顕著に表れています。
10aあたりに換算した場合生産量は1980年 1.6トン、2008年 2.9トン、2017年 3.1トンです。
1980年はそのほとんどが土耕栽培、2008年には高設栽培が導入されています。高設栽培の普及によって2017年は更に収量が増加したと考えられます。
いちご高設栽培のメリットについては「いちご日記」をご覧ください。

トマトも2008年と2017年を比較して作付面積は減少していますが、生産量は若干増加しています。ハイワイヤー方式の普及により単位面積あたりの収量が増加したことが考えられます。
トマトの大型施設は太陽光併用型植物工場にも分類されます。また、いちごにおいても閉鎖型植物工場での生産は始まっています。
後述しますが、植物工場においては環境制御機器等の新技術も導入されています。農業のIT化が始まっているのです。

えのきだけやぶなしめじは菌床栽培がメインです。というよりも菌床栽培でなければ表5-8の数字は確保できないでしょう。
こちらも室内での生産となりますから、ある意味では植物工場と言えるでしょう。
上表でのランキング外となりますが、しいたけ、まいたけ、エリンギ、なめこなど食卓にあがる機会の多いきのこ類はそのほとんどが菌床栽培なのです。
作付面積と生産量が同じように加減する作物は露地栽培の作物に多いことは表から分かります。
ただし、玉ねぎのように作付面積・生産量も増減があまりない農作物も存在します。生産方法が機械化されたことが大きな要因ではないでしょうか。


大まかな理由を列記しましたが、他にも単価なども影響していると考えられます。

第5回はこのあたりにて終了です。
次回は「2017年 野菜の収穫量ランキング(表5-8)」にてまだ取り上げていないじゃがいも・さつまいもから生産量等の推移を見てみましょう。

なんとなく今の日本農業が見えてきているような感じ方をしていただいているならば幸いです。
では皆様、お元気で。また、次回お会いしましょう。