いちご日記

  • 2019年10月17日

スーパーアイポットでの育苗

●育苗シリーズ終了です

こんにちは。
やっと秋らしい気候になりました。
生産者の皆様もいちご苗の定植が終了してほっとしている時期でしょう。
しかし、この時期に大きな台風がきました。被災された方々にはお見舞い申し上げます。
いちご産地でも大分被害がでている模様です。他の農作物にも甚大な被害が出ています。
私達は何もしてあげられることができません。ただただ、がんばってこの苦境を乗り越えてくださいと願うだけです。

さて、本日の日記にて育苗シリーズは終了です。
伺った時期は9月上旬、場所は静岡市葵区のK様の圃場です。2回目の訪問となります。
お世話になります。当日は定植の準備をされていて、また、この後にも他の用事があるという忙しい中でお時間を頂きました。
いつも無理ばかり言って申し訳ありません。

スーパーアイポットでの育苗を撮影できましたので掲載していきます。
パネルが載っている架台はポット受けに使用していた架台と同じです。皆様、流用しています。
この圃場は育苗専用圃場です。今では育場と本圃が分かれていることは珍しいことではないですが、アイポット販売当初は収穫親株を使用することもあって苗場と本圃が共用であることが多かったです。

スーパーアイポット

パネル上げの状況

スーパーアイポットの紹介と使用方法をご紹介します。
スーパーアイポットは使用する時期がアイポットと若干違います。

育苗フローチャート

フローチャートを参照しながら読んでいただくと分かりやすいです。

まずは1株の親株でアイポットとスーパーアイポットを別々に使用する方法を紹介します。
アイポット苗をパネル上げした後に再度ランナーを発生させてスーパーアイポットにてポット受けします。
章姫のような旺盛にランナーが発生する品種で可能な方法です。
章姫主流の時期は俗に2回戦と呼んでいました。

1株で2回ランナー発生させてスーパーアイポットを使用する方法(2回戦)

最終ランナーをスーパーアイポットでポット受けする方法

アイポット育苗での最終ランナー付近をスーパーアイポットでポット受けする場合などもあります。

いずれの方法もポット受けから定植までの期間がアイポットよりもスーパーアイポットのほうが
短いため、根張りを考慮して容量の少ないポットを開発しました。
最近のランナー発生が少ない品種では使用が難しいかもしれません。

章姫が主流になりつつある頃は親株からの苗の増殖率は35倍とまで言われていました。
(後に苗老化や密植での病気発生の危険性等の理由で25倍程度が主流となりました)
紅ほっぺは20倍がやっとです。きらぴ香はもっと少ないです。(9月5日掲載参照

K様は最終ランナー付近で受けた苗がスーパーアイポットでした。

育苗圃場全体

アイポットのパネル上げの状況

スーパーアイポットは育苗全体の10%程度の本数しか使用していませんでした。
パネルに並んだ苗はランダムに置かれている訳ではなく定植の順番によって決まっています。
そのため、アイポットとスーパーアイポットが同じパネルに存在することはありません。苗もランナー発生時期の違いなどで若苗老化苗があるのです。

今回で3回パネル上げを紹介しましたが、使用している固形肥料は三者三様です。皆様が独自に研究試験して一番良いと判断された肥料を使用しています。
お伺いしています生産者様は皆、お孫様がおられる年齢ですがいつまでも研究熱心です。頭の下がる思いです。
いちごは栽培する品種が変わる作物です。今、栽培している品種の生産方法が必ずしも次に出てくる品種に通用するとは限らないのです。
栽培方法全てが変わってしまうことはないですが、作業時期や肥料の量、病気の発生の仕方による防除の方法などは変更して対応されています。
柔軟な発想を持っておられないと栽培は難しくなります。
生産方法が変化する中でアイポットを20年以上使い続けて頂いていることは製造メーカーの我々にとっても本当に嬉しいことであり誇らしくも思います。
微力ながらも農業の世界に貢献できたのかなと思わせてくれる製品です。

金網

GFT-16

K様はランナー受けで使用していた金網も親株栽培槽GFT-16も綺麗に片づけておられました。
いつもながら仕事が早いなあと感じます。
定植は9月20日以降になるだろう。今年は暑すぎるとも話されていました。
K様、忙しい中お時間頂きましてありがとうございます。奥様にもお声をかけて頂きます。この日記を書く励みになっています。見たこと聞いたこと全てを書くことはできませんが、これからもご協力をよろしくお願い致します。
今度は定植が終わった頃に伺えたらいいなあと思います。本当にありがとうございます。

次回は番外編です。
いちご日記なのに西瓜の話です。季節外れと思うなかれ。9月下旬に収穫する西瓜です。
弊社にて設置させていただいたコンベヤシステムを使用して頂いている集荷場の模様をお送り致します。
お楽しみに…。
P.S 台風、もう来るなっ!!

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