いちご日記 
- 2020年01月24日
紅ほっぺ
やっと「いちご日記」らしくなりますよ!
1月もあっという間に終わりに近づき、正月気分もすっかり抜けました。
皆様、お変わりはございませんか。
さて、やっとこの日記もその題名どおり、いちごの果実が本編から登場となります。
収穫中のいちご「紅ほっぺ」
場所はお馴染みの藤枝市 K様の圃場です。
伺う前々日に電話にて訪問を伝えておきました。
K様、開口一番「あんまり連絡ないから、会社クビになったのかと思った。」いつものご挨拶です。
圃場の様子。
発泡スチロール製プランターと比較してみましょう。
生育に違いはみられません。
のびのびシステム
この日記で静岡経済連方式「のびのびシステム」の架台寸法を掲載しました。
今回は作業をする人と架台の位置についてイラストにしてみました。高さはいちごを収穫するにあたり、両肘が90°に近い形となる位置で設定しています。
他地方ではもう少し低い位置に設定していちごの樹の手入れをしやすくする方法もあります。
今年は収穫が遅れ気味
K様に限ったことではなく、静岡の多くの地区において今年はいちごの収穫が遅れ気味です。
以前紹介したようにK様は夜冷育苗と普通育苗を行っているのですが、収穫できるいちごは今のところ夜冷育苗の樹からのみです。
こんなに収穫が遅い年は私の記憶の範囲では今年だけです。夏が暑すぎたことが影響していると考えられます。
訪問は12月中旬でしたが、この日も暖かで、ハウスの中では上着はいらないくらいでした。
この時期にK様宅を訪問しますと、午前中はJAへの出荷及び収穫。午後からはパック詰め作業をされているはずです。
訪問した日は出荷に出かけているかと思い、午後に訪問したのですが残念なことに収穫量が少ないため私が帰る時間になってやっとパック詰めとなったようです。
ハウス内加温用の暖房機
今年はまだ出番が少ないようです。吹き出し口が上部にあります。暖気のムラをなくすためにダクトを使い、暖房機から離れた場所の加温ができるようになっています。
ダクトを架台下まで設置される生産者様もおられますが、今現在この圃場では必要ありません。
ハチ箱
K様はミツバチを使って受粉させています。
最近はいちご栽培においてもマルハナバチを使う生産者様も増えてきました。ハチの価格も上昇気味です。
弊社のイチゴハウスにもミツバチを入れています。
業者様とお話した時には台風が多く、ミツバチを守ることが大変だったそうで、いちごの開花が遅く12月でも納品に忙しいとのことでした。
K様は比較的早い時期にミツバチの用意をされる方なのですが、やはり手当が難しい年はあるようです。今作も追加が必要となる場合には手当に苦労されるかもしれません。
前回の日記で弊社のハウスでヨトウムシの発生を書きました。
K様にそのことを話すと、定植までの苗の管理の仕方が悪いとの指摘をうけました。防除はもちろん、成虫が卵を産み付けないようにするための方法を教えて頂きました。
K様は天敵を使用しているため、なるべく防除の回数を少なくするようにしています。たしかに20年以上こちらに通っているのですが、防除していたところを見た記憶がほとんどないような気がします。
ヨトウムシ、天敵についてはこのHP内「用語集」にて説明しています。よろしければご覧ください。
K様と雑談をしていると、ハウスの扉が空き、懐かしい声が聞こえてきます。
同じく藤枝のいちご生産者TS様の訪問です。
おお、久しぶり。何年ぶりでしょう。おそらく5年は会っていないと思います。
帰社して過去の訪問履歴を確認したところ2014年2月21日が最後の訪問でした。やっぱり、5年もお会いしていなかったのか。
TS様は昔と同じとても柔和な表情でハウスに入って来ました。
TS様はおそらくこの地区のJA管内では一番北でいちごを生産している方です。
品種は「章姫」一本です。静岡県内のいちごが「章姫」から「紅ほっぺ」へと品種が変わり、今また「きらぴ香」も広がりつつある状況であっても「章姫」にこだわっていらっしゃいます。
別に他の品種、例えば栃木産や九州産の品種であっても否定をしているわけではありません。
そこには生産者様のこだわりがあるのです。
「今、何してるの。」とTS様。
「営業職から離れて、いろいろなことやってるけど、HPにブログを載せているので今日は取材。」と答える私。
「どんなブログ?」とさらにTS様。
「いちご日記で検索してみて。いちご日記 矢崎なら多分、HITするから。」と私。
はい、1名読者が増えました。
この後はK様の奥様も交えて今年のイチゴの情報交換は続きました。
解散の際にTS様に「また、寄ってもいいかな?」と私。
TS様「どうぞ、どうぞ。」
私「携帯番号、変わってないよね。」
TS様「来るときは電話して。」
私「分かりました。」
さーて何時行こうかな。クリスマスや年末年始は一番、忙しいから1月中旬以降かな。
楽しみー!
K様、奥様、TS様、ありがとうございました。
今回も2時間近い滞在をしてしまいました。お客様に取材して、またいちご栽培まで教えて頂けるとはなんと幸せなことでしょうか。
この日記の終了までにはもう1度、取材に訪れたいと思います。
今度はパック詰めを見たいなあ。
次回予告
次回は「きらぴ香」登場です。なかなかいろいろと難しい品種と聞いています。育苗過程から今度は収穫へ。乞うご期待です。
では、皆様お楽しみに!